2019年11月「医学を志す」は、株式会社メディカルノート 代表取締役の井上 祥先生から「デジタル時代の医療情報発信」というテーマでご講演いただきました。

井上 祥先生による講演

2019年11月10日(日)に、横浜市立大学医学部の学園祭 “Yokohama Medical Festival” にて「医学を志す」〜横市医学部 Special Edition〜を開催しました。

今年度も、昨年と同様に150名程度(うち中高生100名)の方にご参加いただき、盛況のうちに終わりました。

今回は、横市医学部出身の井上祥先生(株式会社メディカルノート・代表取締役)が、「デジタル時代の医療情報発信」というテーマでご講演くださいました。

人々が医療において迷わない環境づくりを

井上先生と朝日新聞のスライドの写真

井上先生からはまずはじめに、ご自身の中高時代から現在に至るまでの過程をお話いただきました。

井上先生は、大学院在学中に「人々が医療において迷わない」環境作りのため、株式会社メディカルノートを創業されました。医師・専門家の協力の元、信頼できる医療情報を分かりやすく発信、患者に多くの選択肢を提供されてきました。

  • 情報発信も命を助ける医療である
  • 情報は届かなければ意味がない
  • 医師はメディカルサイエンスコミュニケーターであるべき

中高生へ様々なメッセージを送られ、医療情報を発信することで医療に貢献しようというご自身の理念を紹介されました。

医療情報の受信者としての心得

最後に、医療情報の受信者としての心得をご説明くださいました。

最近の「血液クレンジング」問題にもあるように、偽医療情報に関する問題はいつの世にも存在します。

玉石混交の情報から何をヒントに真偽を見抜くか。医師としても重要な視点だと言えるでしょう。

グループワーク「医師として伝えるとは」

グループワークの写真

井上先生からご講演いただいた後は、昨年度と同様にグループワークを行いました。

グループワークテーマは「あなたは医師として患者さんにどのように伝えるか。また、今後患者さんが正しい情報を選択していくために、どのようなアドバイスをするか。 」です。

題材として、実際の舌癌の症例を提示しました。

末期がんである宣告を受け、代替医療として遺伝子治療(保険適応となっている免疫チェックポイント阻害薬ではない、後に訴訟となった)を選択、亡くなっていった方です。

一縷の望みに賭けて代替医療を選択しようとしている患者さんにどのような説明をするか。さらに今後「偽医療」にひっかからないように、このような事例を防ぐにはどうすれば良いか。大変難しいテーマでした。

患者との信頼関係が大切

中高生の皆さんから多く出た意見は「信頼関係の構築」です。

医師から患者に届く言葉を届けるためには日頃からの関係が大切である。

臨床家として患者さんと接する私達が、常に考えなければならないことを指摘されていました。

また「リテラシーの向上」についても指摘する意見は多くありました。教育が大切であるという意見が、今教育を受けている中高生から出ました。

時間の都合で短時間のグループワークになってしまったのですが、活発な議論が見られました。

次回開催2020年3月予定「医学を志す」

無事2回目となる「医学を志す」〜横市医学部 Special Edition〜を終えることができました。

また横浜市立大学の方から、『「医学を志す」をきっかけに横市を志望してくれた受験生がいる』と教えていただきました。

累計9回目となる「医学を志す」ですが、「志望動機を明確にして医師を目指して欲しい」という理念を実践できていることを実感できた嬉しい言葉でした。

次回開催は2020年3月を予定しております。ぜひ医師を目指す中高生はご参加ください!